1.眼瞼下垂手術(デカ目、目力アップ)
眼瞼下垂は、上まぶたが垂れ下がって正常よりも黒目におおいかぶさる状態をいいます。手術をすると、眠たそうな目がパッチリとして、目力(めじから)がアップします。手術法として、先天性眼瞼下垂に対しては上眼瞼挙筋短縮術を行い、強度の下垂なら前頭筋吊り上げ術を行います。通常の眼瞼下垂あるいはコンタクトレンズ眼瞼下垂に対しては上眼瞼挙筋修復術(前転術)を行います。また上まぶたのタルミ取り手術を合わせて行うと効果的です。まぶたの表の皮膚を切開して行う方法と、まぶたの裏の結膜を埋没糸でタッキングして行う方法とがありますが、皮膚を全切開して確実な処理をする方が、微調整ができるので好ましい方法です。
2.くぼみ目
くぼみ目は、まぶたの脂肪が加齢変化により萎縮してしまうことによりおこります。
また体質的な要素もあります。眼瞼下垂に伴うこともしばしばあります。
治療は脂肪移植や脂肪注入をし、脂肪を補充することで治すことができます。
3.つり目・たれ目手術
たれ目にする手術は、外眼角じん帯を下方にずらす方法(外眼角靭帯移動術)を行う場合と、下眼瞼下制術を行う場合とがあります。下眼瞼下制術は、下眼瞼に眼瞼下垂の手術を応用したものです。この手術はグラマラスライン手術とも呼称されています。
4.まぶたのタルミ取り手術
上まぶたタルミ取り手術
若いころすっきりとしていた目元も加齢とともにたるみが生じ、まぶたの皮膚が目の上におおいかぶさってきて、どんよりと重い感じの目元になってきます。このような方は、上まぶたのタルミ取りの手術がよい適応となります。上まぶたのタルミ取り手術を行うだけで明るく若々しいイメージになります。手術方法は、二重のライン上を切開し、たるんだ部分を切り取ります。タルミ取りをすると、眉毛の位置は下がりますので、若々しい印象になります。傷跡はしばらく赤みが残りますが、将来的には傷跡は白くなり目立たなくなります。5日後が抜糸となり、抜糸の翌日より洗顔、お化粧が可能となります。また眉毛を上げる額眉リフトや、こめかみリフトを併用すると効果的です。
61才の方で、上まぶたのタルミ取り手術と左コメカミの大きなホクロを取り除きました。自然な感じとなりました。
下まぶたタルミ取り手術
30才、40才と年をとるにしたがって目の下のタルミやクマが気になることは多いものです。特に疲れた時などこのクマのせいでよけいに疲れて見えてしまいます。眼球は頭蓋骨の中で眼窩脂肪という大きな粒の脂肪によって囲まれています。年とともにこの脂肪がずり下がって、下まぶたにヘルニアを起こしてきますと、目の下のクマとなります。これをバギーアイ(目袋)と表現しています。改善方法として、下まぶたの睫毛ギリギリを切開し、余分な脂肪とたるんだ皮膚を切り取ります。まぶたの皮膚は傷の治りも非常に良く、しばらく赤みは残りますが、将来的にはほとんどわからなくなります。5日後が抜糸となり、抜糸の翌日から洗顔、お化粧が可能となります。
下まぶたタルミ取りの手術は確立された優れた方法であり、若返り効果は絶大です。欠点は、眼瞼外反症(アッカンベー)を起こす危険性があることです。これを予防する手術計画も大切です。皮膚のたるみが少ない方ですと下まぶたの裏側の結膜を切開し、ヘルニアをおこした脂肪を取る手術(経結膜的脱脂術)や脂肪注入法も皮膚にキズを残さない治療法として知られています。結膜を切開すると下眼瞼の脂肪が露出しますので、膨らみの状態を確認しながら、脂肪を除去していきます。電気メスで確実に止血します。下まぶたに飛び出す脂肪は 3つの塊に分かれていますので、状態により 3つ全て除去したり、一部だけの除去にしたりします。途中で下眼瞼の膨らみの改善具合を確認し、適量の除去となるように慎重に調節します。結膜は縫合せずに終了します。下まぶたの裏を切開していますので、傷が回復するまでの術後 1 週間、コンタクトレンズの使用は控えます。
またハムラ法という脂肪移動術もよく行われています。またお腹や太ももの脂肪を採取して目の下にクマの部分に脂肪注入もあります。